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中国大手不動産会社のドル建て債デフォルト

中国の不動産業界が直面している深刻な問題

  • 不動産不況: 中国の不動産市場は、政府の規制や資金繰りの悪化により、低迷しています。住宅価格や販売量が減少し、不動産開発会社の収益やキャッシュフローに影響を与えています。
  • ドル建て債のデフォルト: 不動産開発会社は、大量のドル建て債を発行して資金調達を行ってきましたが、恒大集団や碧桂園などの大手企業が、ドル建て債の利払いや償還を期限内に行えなかった、債務不履行(デフォルト)が起こっています。

・中国及び世界への影響: 不動産業界は中国経済の重要な部門であり、多くの関連産業や雇用にも影響を及ぼします。不動産業界の危機は、中国経済の減速や金融システムの不安定化を引き起こす恐れがあります。また、ドル建て債を保有する海外投資家や金融機関も、デフォルトによる損失や信用リスクに直面する可能性があります。 Microsoft chat Copilot 

2016年に懸念が示されていた不動産投資

習近平政権が不動産投資の規制を強化してきた背景には、2021年度の恒大不動産の30兆円以上の債務が次々と露呈したことがあります。最大手の碧桂園も例外ではなく、2023年10月にドル建て社債で初めて債務不履行に陥りました。

中国が目指す「一帯一路構想」の意義と課題

改革開放を掲げて躍進を続ける中国の成長は目を見張るものです。改革開放以降、日本や欧米などの先進国は安い労働力に惹かれて中国への生産委託や工場移転を勧めました。

1991年にソビエト連邦が崩壊し、冷戦体制が終わりました。その後、日本は不動産・金融バブル経済が崩壊し、平成不況に入りました。これらの出来事によって、世界秩序は大きく変化しました。

2008年には、アメリカの住宅市場の崩壊が引き金となって、大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが破綻しました。これが世界的な金融危機に発展し、欧米をはじめとする多くの国々の経済がマイナス成長に転じました。各国は金融機関の救済や景気刺激策を打ち出しましたが、世界経済の混乱は長期化しました。

リーマンショック後も、中国・韓国・台湾などは電子機器や自動車などの高付加価値製品を生産し続け、世界市場で競争力を高めました。特に中国は改革開放政策を継続し、14億人の人口を抱える労働力・消費力を活用して「世界の工場」として急速に成長しました。しかし、これに伴って環境汚染や所得格差などの社会問題も深刻化しました。

中国は「一帯一路」と呼ばれる広域経済圏構想を提唱しました。これは、アジアやヨーロッパなど140カ国にインフラ投資や貿易促進などを行うことで、中国主導の経済連携を目指すものです。この構想は、中国が世界経済や地域秩序に大きな影響力を持とうとする野心的な構想です。  Microsoft chat Copilot 

中国の不動産開発は負の連鎖へと広がる懸念

不動産開発事業者の野望が、中国政府が推進するアジアやヨーロッパなど約140カ国にインフラ投資や貿易促進などを行う広域経済圏構想「一帯一路」の一環として行われたマレーシア南部ジョホール州の人工島で建設された中国開発のマンション群は、約2万6000件中9000件しか売れず空き家と化している。新型コロナウイルス禍や碧桂園(カントリー・ガーデン)の経営難などにより建設が中断された物件もあり、人口や商業活動が低迷してゴーストタウン化している。 Microsoft chat Copilot