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民主主義と専制主義の対立に翻弄される世界

専制主義国に変貌したロシアプーチン大統領

戦後の東西冷戦を続けたソビエト連邦とアメリカ合衆国の対立はゴルバチョフによるペレストロイカによってソビエト連邦は崩壊し、ロシアは民主国家としてエリツイン・プーチンによって新たな道を歩んでいました。しかし、巨大国家ロシアは最大の核保有国の軍事大国であり、世界有数の資源国家でもあります。一時期G7(先進主要国)の一員としてG8に加わりました。しかし、プーチン大統領の野望はロシアの復権にあり、資源を利用した富と権力を集中させ、専制主義国家の牙を剥き出し2014年にウクライナ領土クリミア半島に用意周到に軍事力を仕掛けロシアに併合しました。ロシア国民はプーチンを英雄のように絶賛し、ロシアの富をオルガルヒ(富豪)に集中することでプーチンの権力基盤を作り上げていきました。KGB(ソ連の情報機関・秘密警察・国境管理・・)出身のプーチンは徐々に潜在的な能力を発揮して、大統領として20年近いロシアのリーダーとして権力を増長させてきました。反対派は厳しい弾圧によって抹殺し恐怖社会を徐々に復活させ、国民の自由を拘束してきました。ロシアは国家統制の中にあります。

高度成長を遂げた中国、習近平に集中する国家権力

民主主義圏にとって最大の脅威は「中国」の存在です。先進国は高度成長の果実を得ている間に新興国が徐々に成長の課程を築き上げてきました。中国は東洋の歴史的な国として統治されてきました。しかし、西欧の産業革命によって海洋進出した西洋列強に浸食され厳しい国家の歩みが続きました。100年前中国で創設された共産主義思想が第2次大戦によっておこる内戦に勝利した共産党軍が中華人民共和国(70周年)設立、14億人を9000万人の共産党一党支配の社会を作り上げてきました。文化大革命の厳しい失政を超えて、改革開放を唱え2010年からGDP(国民総生産)世界2位の経済国家となっています。さらに、同時に軍事大国として強固な軍事態勢を整えています。東洋の大国は世界の強国となって自由主義圏にとって、対立する強国になっています。習近平総書記の国家統制のもとで一党独裁支配の共産党国家と対話する難しさも存在します。3期目の党のトップとなった習近平主席の言動・行動が世界に大きな影響を及ぼします。

ロシアのウクライナ侵略戦争の行方!

2月4日のプーチン・習近平の密約は如何に

国連の常任理事国(5カ国)ロシアと中国がウクライナ侵攻に対して、何らかの密約があったと思われます。しかし、クリミア半島の略奪と同様に短期間に決着が予測された侵略は戦争に発展し8カ月を要し、今ロシアが劣勢に立たされています。中国習近平も思惑と違う展開になって、プーチンも西側(米国を主とした先進国)の責任で長引いていると主張しています。世界ではロシア・中国の影響を受ける国が多くあり、自由主義圏の多数と言う構図にはなっていません。ロシア・中国は徹底した国家情報統制によって、国民には真実な情報が存在しないことが、自由主義では理解できない部分であります。ロシア・中国・北朝鮮などの専制主義国家の国民の反応は全くわかりません。

3期目の入った習近平主席率いる中国

世界に広がるの物価高と中国の経済の低迷

世界はロシアのウクライナ侵攻による、エネルギー資源、食料不足、経済の停滞、軍事費の増大などによる異常な物価高に揺れ動いています。世界的な通貨基軸である米国は物価高騰を受け金利抑制策を実行し金利を上げています。世界のお金はアメリカに集まり、各国で通貨安に見舞われ貿易収支も大きく落ち込んでいます。日本でも円安によって輸入商品は20%近い上昇になっています。アメリカの金利圧力はどこまで続くのか世界経済にとって大きな苦難の道が続きます。

3期目を迎えた中国も経済成長が鈍化し、不動産バブル崩壊(中国経済数値の3割を占める)が近づいていると報じられています。2021年9月に表面化した恒大不動産一社(債務42兆円)と言われ、大手不動産事業者の大半が厳しい状況で、関連する建設関係の事業もストップしています。さらに「共同富裕」政策でIT企業への厳しい対応で成長が鈍化し、株価が半減、雇用の減少を招いています。若者の失業率が20%近くの厳しい指標が出ています。中国もいよいよ少子高齢化が進み、経済成長が低下すると益々厳しさが増します。現状ではコロナ政策「ゼロコロナ」を唯一の対応として、さらに人流・経済の停滞が起こっています。ドイツの最大の貿易相手国中国との関係は経済的に懸念され、ドイツ首相は経済団体代表を連れて中国へ訪問しています。一方で台湾政策で自由主義圏と中国の対立は続きます。

欧米の物価上昇率8%以上、日本・中国2%台の違いはよくわからない数値です。欧米では昼食代に2~3千円など、日本では考えられない状況になっています。外国人旅行者は日本の物価安に驚いていますが、日本では物価高騰に不満を持っています。