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中国の重要会議全人代閉幕、成長目標5%

中国全人代閉幕 中国経済の低迷の影響

開幕前から中国経済の厳しい状況は世界に報道されてきました。世界2位の経済国家の停滞は戦争と物価高に喘ぐ世界にとっても大きな懸念材料となっています。しかし、閉鎖的な中国の内政状態については推測でしかないとされています。習近平政権3期目の1年目の共産党党大会全人代が北京で開催され、中国の実態が益々不明確な状況が漂うことになりました。2024年度のGDP目標が前年同様5%前後の目標値が採択され閉幕しました。中国内外とも憶測の域を出ない実態に困惑しています。

中国経済”日本化”の懸念

中国経済は、かつての日本のような経済の長期低迷に陥る「日本化」が懸念されている。「日本化」は、論者により定 義が異なるが、日本が 1990 年代前半のバブル崩壊後~経験した、長期にわたる低成長・低インフレを指していること が多いようです。特に、中国経済は 2022 年末のゼロコロナ政策撤廃後、V 字回復が期待されながらも春先には早く も回復が息切れした、その過程でみられた 3 つの要素が中国経済の「日本化」を連想させた。 第一に、不動産不況がこの間の中国経済に大きく影響した。不動産価格高騰に対する人々の不満の高まりを受 け、2020 年夏以降、政府は不動産関連規制を強化し、価格の是正を試みた。その結果、不動産価格自体は小幅に 下落したものの、住宅販売は大幅に減少した。不動産不況が景気低迷の主因となっていることは、日本の 1990 年代 のバブル崩壊を想起させやすい。第二に、最近の消費者・企業マインドの悪化である。2022年末のゼロコロナ政策撤廃に伴う「リベンジ消費」の早い息切れを招き、企業の設備投資を抑制した点で足元の景気減速の一因となった。そ して、中国の消費者・企業マインドの悪化は、1990 年代以降の日本でみられた社会の閉塞感と似ており、「日本化」の 結果ではないかとの指摘もある。第三に、低インフレである。消費者物価は 2023 年 1~10 月累計値で前年同期比+ 0.4%と低水準の伸びが続いているうえ、10 月単月では前年同月比-0.2%と前年割れし、中国経済がデフレに陥ると の懸念が高まった。

三菱UFJリサーチ&コンサル 2023年11月17日記事引用

 

中国不動産バブル崩壊の推移

中国政府は2020年8月に決定し、翌年1月に実施した不動産融資規制です。中国の大手不動産企業に対し、負債比率などを守るべき3つの財務指針を定めたもの

  • ①総資産に対する負債の比率が70%以下
  • ②自己資本に対する負債比率が100%以下
  • ③短期負債を上回る現金を保有していること

①~③の財務指針に抵触する不動産企業には銀行融資を規制するもので、過剰な不動産投資を抑制する対策です。

不動産規制の導入のきっかけは、新型コロナウイルスに対する大規模金融緩和により漏れ出た投資マネーが不動産市場に大量に流入したことでした。余剰資金の流入でマンション価格の高騰が進み、さらなる値上がりを見込んだ投資も加速して、一部都心ではバブル現象が起こった。経済格差拡大で市民の不満が募る中、中国政府は行き過ぎた不動産投資の抑制対策に出た。

この規制を受け総負債比率などの基準に抵触した企業に融資制限がかかり、多くの不動産企業が債務不履行(デフォルト)に陥りました。金融市場に大きな衝撃を与えたのは2021年恒大集団(エバーグランデ)の経営危機(現在の債務48兆円)でした。2023年8月17日には米連邦破産法の適用を申請しました。当時、中国に大手不動産企業が250社存在し、厳しい財政状況の企業もあるとしました。その後最大の不動産会社碧桂園も過剰投資により厳しい状況が表面化しています。

*中国恒大集団は不動産事業のほか、観光、ネットサービス、保険、電気自動車(EV)、サッカー球団、サッカー場など多角化企業でした。

融資平台という地方政府の投資会社

中国不動産事業拡大に地方政府の存在

中国の土地は永続的に国家のもので、不動産開発に地方政府が大きく関与していることは報道されています。共産党一党支配の中で地方政府と不動産事業者が開発を主導して拡大してきました。開発を拡大すれば地方政府が潤い、地方が競うように開発を勧めました。国民も政府と一体となって開発された不動産を取得しました。2020年の新型コロナウイルスの「ゼロコロナ政策」で落ち込んだ経済を支えるため国家は資金を潤沢に拠出しました。地方政府は「融資平台」という資金流通組織を利用して公共事業や不動産事業に多額の資金を流しました。金融機関にも地方政府保証の資金が発生し、不動産開発事業者に流れ、各地で開発ラッシュになり、2021年政府は過剰な開発に懸念を示し、資金の締め出しをはかりました。日本のバブル期と同様の現象が巨大中国で起こったバブル経済の実態です。日本の不動産バブルも日本政府が対応に追われる中、大手銀行や証券会社の倒産を招き、保証債権がバブル化した状況で紙くずになりました。中国経済は、今そのような状況になっているのではないか?、2008年の米国発、リーマンショックも金融・不動産バブルの破綻で、大国アメリカ社会が疲弊し世界に広がりました。

世界を揺るがしたバブル経済

中国の急成長に潜む難しい舵取り

1978年の改革開放以降、

中国経済が急成長できた理由は何か

  • 輸出主導
  • 製造業中心
  • 外資系企業の誘致成功
  • 労働集約的歳入

今、中国が抱えている問題点は何か

14億人の人口を抱える中国は世界2位の急成長大国である。しかし、今さまざまな問題を抱えている

  • 経済成長の鈍化
  • 若者の失業率上昇
  • 不動産市場の崩壊

コロナ発祥の地中国、習近平指導の徹底した「ゼロコロナ政策」で、蔓延する世界の状況を横目に独自の政策を3年間貫き通しました。世界の先進国はRNAワクチンなどによる変異株の対応を進め共存する選択をしました。中国は唯一の対策「ゼロコロナ政策」は感染力の強いオミクロンによって、鎖国状態の中国に侵入し、対応しきれなくなった状況になり2022年末、突然「ゼロコロナ政策」を放棄しました。

「ゼロコロナ政策」の失敗が中国経済に影響

2022年夏 上海のロックダウンの影響

中国最大の経済特区上海市2500万人の2か月におよぶロックダウンは中国経済を大きく後退させ世界に信頼を失う最大の悪政となりました。成功を謳い続けた「ゼロコロナ政策」の限界を示し中国社会と世界の流通経済に衝撃的な事案となり、強権的な政府の姿勢に国民世論も密かに白紙で示しました。

感染力の強いオミクロン株の中国国内への侵入は抑えきれなくなり、「ゼロコロナ政策」を放棄するに至りました。経済の逆回転が加速する結果となり、GDPの伸び率が明確に示す結果となりました。

中国の共産党一党支配という権威主義体制

習近平氏の”野望と独裁”のなか中国離れ加速

新興国~大国になった中国習近平政権はアメリカのリーマンショック(2008年)を境に強国中国の顔が前面に出て、習近平政権誕生(2013年)の秋に世界制覇に向けた「一帯一路構想」「AIIB アジアインフラ投資銀行」を提唱、中国の野望を世界に示しました。世界の経済大国2位の日本のバブル経済崩壊(1991年)、2008年1位の米国リーマンショックバブルによって世界の秩序が大きく揺らいで、共産主義国家中国の改革開放政策の成功によって、世界は中国経済はなくてはならない存在になりました。改革開放政策によって成長した中国は”世界を制覇する野望”を抱き、共産党一党独裁の強権的権威主義の中で外洋に打って出て世界制覇の道を高らかに宣言しました。中国の野望は台湾海峡に始まり、南シナ海の岩礁を埋め立て実効支配の道を造り、14億人の民の労働力を利用した「世界の工場」として、一帯一路構想の道を構築して”物や人の往来”を中国主導で造りあげ、共産主義国家の世界制覇に向けた歩みを始めました。

資本主義国の停滞する中で新興国の成長は著しく、さらにBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)が提唱され、先進国に対抗する2000年以降の経済発展国の枠組みができました。

日本は平成不況の真っただ中、アメリカはリーマンショックの中、欧州(EU)経済の停滞が世界の経済秩序を大きく変えることになりました。

世界を混乱に陥れた新型コロナウイルスの対応

2024年度2月の中国上海総合指数が大きく下落しています。中国へ世界の投資が集まっていた中で、中国経済の厳しい状況と強権的な「国家安全維持法・反スパイ法」習近平政権への懸念から一気に世界の中国への投資が縮小されています。中国武漢発新型コロナ対策で「ゼロコロナ政策」によって封じ込めに成功した中国は一人勝ちの勢いで復活させました。欧米を中心に変異株によって拡大するウイルスは蔓延し厳しい対応策を迫られました。欧米・日本は開発されたRNAワクチンを接種して共存の道を歩みました。中国は独自のワクチン接種で対応し、実情は鎖国状態で感染拡大を抑えていました。第6波のオミクロン株の感染力の強い変異株によって中国国内にも広がりました。2022年8月上海2500万人の都市を2か月ロックダウンし中国経済に大きな打撃となりました。2018年から始まっていた米国と中国の貿易不均衡を理由に関税合戦が繰り広げられ、中国は「絶対的なゼロコロナ政策」で対応をエスカレートさせました。上海のロックダウンを期に世界は対中国政策を徐々に見直し始めました。中国国内でも白紙運動などにみられる抵抗が現れ、2022年末には「ゼロコロナ政策」を放棄するに至りました。その頃から米中関税合戦の対応に苦慮し、不動産バブルの懸念が表面化し恒大不動産(2位)・碧桂園(1位)などの対外デフォルトが起こり、中国経済の信用度が失墜しています。中国に投下していたマネーが中国から一斉に引き上げが始まっています。上海・深圳・香港株などが大きく下落し、中国の富裕層の投資家の資金が縮小し、中国政府は下支えを行っていますが下落は止まりません。

中国深圳市(3大都市)債務償還延期報道 3月8日

中国深圳市の地方財政債権が償還延期

3月18日のネットニュースで中国3大都市(上海・北京・深圳)の一つ深圳市の財政が非常に厳しく発行の債券の償還が難しい状況に陥っていると報じられています。中国の改革開放の象徴的な都市深圳(ファーウエイなど巨大企業がある経済都市の財政に懸念が示されたことで、中国の深刻な状況が浮かんできます。表面化していない地方財政の「融資平台」にも深刻な影響が出て、中国国家が手の付けられない状況に追い込まれることが懸念されます。画像;債務比率ワースト10に掲載されていない深圳市が2024年3月8日のネットニュースに表面化しました。中国全土で広がる地方債務の危機が迫っています。ネットで公務員の給与も下がり、遅配しているとも報じられています。