2023年3月期上場企業純利益 最高水準!

上場企業の数値は中小企業に及ばず

平成期の30年日本の経済成長は低水準にとどまり続け、賃金はは新興国に追い越され、金融政策も欧米のように金利を上げることも出来ずにいます。日本は物価高騰の影響で実質所得は目減りし、2023年春闘は政府・企業・労働界が連携して所得アップを掲げました。しかし、日本の90%以上を占める中小企業の労働賃金アップには厳しい実情があります。高度成長期の日本は技術革新と豊富な労働力によって世界2位の経済大国に発展し続けました。1973年第4次中東戦争によるオイルショックで物価高騰を招きましたが、電力三法によって原子力発電を推進し、列島改造など公共投資と活発な社会経済活動と技術革新で成長を続けました。しかし、プラザ合意後に内需拡大を掲げ、日銀は大量に資金を流出させ、土地転売の加速・リゾート開発などで日本列島の地価高騰・株式・会員権投資が沸騰し金融経済バブルを生み出しました。行き過ぎた金融バブル崩壊期(1991年~3年)を招きました。踊り狂った日本経済の再生は新興国の安い労働力で工場の海外移転が加速し、人・物・工場が近隣新興国(台湾・中国・韓国・・)に移り日本の産業空洞化による平成の長期不況を招き衰退が続きました。さらに、令和による復活の矢先に新型コロナウイルスの蔓延で停滞しました。

高度成長を遂げた日本のものづくり復活

ものづくりと技術革新で高度成長を遂げた日本の衰退を平成不況の30年間竺地たる思いで

過ごしてきました。バブル経済崩壊によって崩れ去った日本のものずくりは近隣新興国の成長圧力によって沈み続け、ものによっては追い越されてしまいました。今、先進7カ国は国内生産に向けた大きな転換点が示されています。特に超大国になった中国の成長動向が大きなKEYワードとなっています。

世界を制覇する勢いで躍進する習近平政権に対して経済大国アメリカが自国の成長と中国包囲網を構築しようとしています。ロシアのウクライナ侵攻は「専制主義国と自由主義国」が世界を二分する戦いに発展しています。今週開かれる「G7広島サミット」が重要な先進国会議となっています。

G7先進国首脳会議 広島サミット 5月19日~21日

厳しいコロナ禍を乗り越え、5月8日~新型コロナウイルスの5類移行(インフルエンザと同様)により、国民生活が新たなステージを迎えました。ゴールデンウイークには観光客が日本各地を一変させ、海外の入出国も大きく増えています。一方で、ロシアのウクライナ侵略戦争は1年に及びエネルギー資源の高騰による物価高に見舞われています。世界が大きく揺れ動いているとき、先進国首脳会議(G7広島サミット)が今週(5月19日~21日)最初で唯一の被爆地広島に首脳が集まり、対立する専制主義国と自由主義国との世界戦略について議論されます。岸田総理は今年に入って議長国としてG7国、新興国、アフリカなどを訪れ調整に尽力してきました。一方で、「戦争」という国家間の争いがエスカレートする懸念が浮かび上がっています。

2023年3月期の上場企業決算数値で過去最高益

30年に及ぶ平成不況から令和5年(2023年)3月期の各社決算数値が示され、「決算説明会」が集中して行われています。世界は未だ混乱期にある中、日本の上場企業の決算報告は過去最高益を達成している企業が報告されています。

厳しい中で日本企業の決算状況はおおむね良好な数値を示し、新たな日本・世界の舵取りに大きな一歩となっています。

  • トヨタ 営業収益37兆1542億円、営業利益2兆7250億円、増収減益、来期3兆円の営業利益見通し
  • 金融大手メガバンクグループ3社の決算堅調な業績 ・みずほは海外の邦人向け好調 最終利益5555億円 ・三井住友は法人向けの預金貸出増加、決済ビジネス好調で最終収益8058億円 ・三菱UFJ 運用貸出堅調 最終利益1兆1164億円 2年連続1兆円越え
  • ソニーグループ 連結売上高11兆5398億円、営業利益1兆2082億円 売上高10兆円は初、営業利益とも過去最高
  • 総合商社大手8社のうち、7社までが過去最高益を更新、三菱商事・三井物産は最終利益1兆円を上回る過去最高益(創業来)
  • ユニクロ コロナの収束により国内・海外とも好調な業績を上げ堅調に推移しています。

多くの企業が過去最高益の報告をしていますが、厳しい世界経済の過酷な競争の中で、平成不況からの脱却を掲げる日本経済は、幾多の試練を乗り越えて復活のしるしを示すことを期待します。大きな投資をする半導体・EV自動車・エネルギー・AI革命への投資など日本が過去に世界を制した産業の復活が期待されます。

東証株価指数(TOPIX)33年ぶりの高値

2023年5月16日 東京株式市場で東証株価指数が続伸し、1990年8月3日(バブル期)以来、33年ぶりの高値水準をつけました。日本株は海外投資家に好感され、円安の中で高値水準にあります。混迷の中にある世界経済の中で日本は堅調な企業数値が示され株価も30000円を突破しました。