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世界的なエネルギー資源の高騰による懸念

最大の人口とエネルギー消費国中国

急激な経済成長を遂げる中国は温室効果ガス排出削減に向けて厳しい規制を行っています。石炭火力発電が主流の中国で発電コスト(石炭価格の高騰)が賄えず電力供給を制限、家庭や産業用電力の供給制限「停電」の事態が起こり、順調に回復した中国の社会経済活動に影響が及んでいます。中国だけでなくEU圏もロシアに依存している天然ガス価格の高騰に見舞われ厳しい状況にあります。EUは温室効果ガス排出制限に積極的に取り組み大きなエネルギーの転換期にあり、日本同様エネルギー資源を他国に委ねている現実があります。EV自動車へのシフトにも厳しい選択になります。

日本の物価上昇が起こりインフレ傾向

原油価格が高騰を続け、ガソリン価格が160円を超えています。日本はオイルショックなど何度も資源価格の高騰に悩まされてきました。コロナ後の経済活動再開の矢先に資源高に直面し、関連する多くの産業で価格上昇が起こって、生活に直結する局面を迎えています。資源高は日本経済や社会活動に大きな影響を及ぼします。資源コストを下げる改革が求められます。福島原発事故以降の日本の基幹電源とならない原発依存からの脱却が求められています。再生可能エネルギーへの転換、自動車の水素燃料電池車の開発など課題は沢山あります。

選択肢を広げるトヨタの歩み

世界の自動車産業はEV化に大きく舵を切って歩みを続けています。ハイブリッド車で成功したトヨタはEV化に遅れていると懸念が示される中、資源高騰など電力供給の不足、電力インフラ整備の厳しい地域、充電インフラの未整備、充電時間の問題、蓄電池の価格と発火の危険性など移行には乗り越えなければいけない課題が沢山あります。トヨタでは選択肢を多く持って対応したいと提案しています。EV自動車が走る中国では、充電スタンドで長蛇の列になって問題が起こっています。EU圏でも2030年前半に新規の自動車をEV自動車にすると政府や自動車会社が進めています。北欧ノルエーでは新車は全てEV自動車になり、唯一トヨタHV自動車が15%含まれています。中国はHVをEVの領域に含まれて補助金の対象になっています。