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小学校のプールサイド 熱交換塗料 検証

小学校のプール設置率全国86%

高度成長期(1950年代から1970年代初頭)は、日本の経済が急速に成長し、教育分野にも大きな投資が行われた時代です。この時期に、小学校にプールが設置される動きが一気に進んだのも、その背景があります。

特に、1950年代の「紫雲丸事故」が契機となり、児童の安全と泳力向上が重要視され、水泳教育が全国の学校で推進されました。この動きに加え、1964年の東京オリンピックの影響で、スポーツ振興の一環としてプールの設置がさらに加速しました。

経済の成長により地方自治体の税収が増加し、学校施設の整備が可能になったことも大きな要因です。1950年代には20%に満たなかった学校プールの設置率が、2006年には小学校で約87%に達するほど普及しました。

熱交換塗料を使った学校での効果

熱交換塗料が使われた小学校では、特に猛暑日のプールサイドで大きな効果を発揮しました!例えば、従来のコンクリート部分は気温35℃以上で表面温度がさらに上昇していましたが、塗料の施工後、表面温度を約15℃も下げることができたとの報告があります。これにより、生徒が安全に利用できる環境が整い、軽いやけどのリスクが減少しました。

さらに、一部の学校ではプールサイドに加えて校庭などにも熱交換塗料が利用されており、裸足で遊べる安全な場所として児童からの高評価を受けています。真夏の厳しい気温下でも子供たちが安心して遊べる環境を提供する技術として評価されています。

 

東京都墨田区押し上げ小学校校庭 2020年熱交換塗料塗布10年後にリニューアル塗布
東京都墨田区押し上げ小学校校庭 2020年熱交換塗料塗布10年後にリニューアル塗布

熱交換塗料は全国各地の学校で採用

熱交換塗料は全国各地で様々な学校や施設で利用されています。たとえば、東京都墨田区の押上小学校では校庭に2010年に塗布され、真夏の炎天下でも生徒が裸足で安全に遊べる環境を実現し、2024年に塗り替えています。また、群馬県の小学校の体育館屋根にも使用され、屋内温度の上昇を防ぐ役割を果たしているそうです。

さらに、一部の学校ではプールサイド以外にも運動場や外壁に応用され、生徒の快適性向上だけでなく、省エネ効果も期待されています。群馬県前橋市の幼稚園の外廊下床に熱交換塗料の塗布補助をしています。地域によって利用の仕方に工夫があり、今後の展開が楽しみです。

老朽化した小学校プールサイド 熱交換塗料塗布でリニューアル
老朽化した小学校プールサイド 熱交換塗料塗布でリニューアル

建設から40~50年、老朽化と人口減少の波

全国の小中学校のプールに廃止の波が広がっている。多くは建設から40~50年たって老朽化が目立つ一方、大規模改修や建て替えを見送るケースが相次ぐ。人口減少を背景に、自治体の財政難から費用が捻出できないためだ。市民プールの活用や水泳の授業の民間委託など、財政負担抑制と教育の両立へ向けた試みが出ている。

コンクリートの表面に熱交換塗料(グリーン)塗布、リニューアルしたプールと熱対策が可能になりました。

高温化する社会で温暖化対策!

一級河川中川(東京都)の護岸遊歩道に熱交換塗料 路面の温度低減
一級河川中川(東京都)の護岸遊歩道に熱交換塗料 路面の温度低減

熱交換塗料は、小学校以外にも多様な事例で使われています!例えば、都市部の遊歩道や屋根の防水工事に活用される例があります。東京都墨田区の押上小学校では校庭に塗布され、裸足で遊べる環境を実現したり、静岡県S市では屋根の防水工事で温度の上昇を抑える成果が報告されています。

また、都市ホテルの屋根での塗装により、空調効率を向上させたり、橋梁の車道面で冬場の凍結防止効果が確認された例もあります。これらの事例は、熱交換塗料の多目的な用途と環境への配慮を強調しています。

地球温暖化に貢献する塗料として1997年京都議定書発効で、研究者アルバー工業石川社長の取り組み5年、2002年オンリーワン塗料「熱交換塗料」が開発されました。初期のPR活動は苦労しましたが、数ミクロンの薄い塗膜の中で運動エネルギーが起こり表面温度が10℃~15℃下がる現象に行きつき「熱交換塗料」と命名、全国、アジアの地に広がり続けています。地球温暖化、ヒートアイランド現象低減、省エネルギー、温熱環境の改善など小さな輪を広げる活動を行っています。