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中国 習近平政権3期目 権威を示せるか ①

広大な土地と14億の民、多民族国家中国の歴史

古代中国はチベット山脈を源流として6000㎞に及ぶ二つの大河(黄河・長江)に恵みを受けた広大な土地に繁栄した多民族国家です。3000年の歴史大国中国は内乱と権力闘争を繰り返した歴史が刻まれています。産業革命の発展と共に欧州列強がインド洋を経由しアジアの海に交易を求めて黒船がやってきました。

日本も260年の鎖国を貫いた「徳川幕府」の開放を求めて(天皇制)明治維新が起こり近代化の一歩を踏み出しました。一方で混乱の中で衰退する中国に欧州列強が清国に交易開放を求めました。1840年にイギリスによるアヘン戦争が勃発し、イギリス・フランス・ドイツが沿岸部に居住地を設けました。北からは大帝国ロシアの進出がありました。1894年~1895年(明治28年)日本は朝鮮半島を属国支配する清国に出兵し、朝鮮半島・中国遼寧半島・南の台湾平定後に終結し下関条約が結ばれました。台湾は1945年まで50年間日本の統治国となりました。10年後大帝国ロシアの南下による支配阻止に日本軍が出兵、日露戦争(1904~1905年)勃発、日本が勝利し、朝鮮半島・満州国へ日本国の進出が始まる。

鄧小平の改革開放~習近平一帯一路構想

文化大革命(1966~1976年)は中国共産党中央委員会主席毛沢東主導による文化改革運動を装った毛沢東の権力奪還闘争が行われた。中国は対外的に鎖国状態にし実態が分からない国内の権力闘争であったと言われています。国内は疲弊し1970年代になると革命運動が弱まって1977年運動の終結を宣言しました。鄧小平などが復権し、改革開放を掲げ経済特区を設けて自由主義国の投資を呼び込み市場経済を導入した政策を打ち出しました。市場経済導入によって自由主義を求める若者が「1989年天安門広場へ集結」鄧小平によって弾圧(天安門事件)される。集団指導体制をとっていた胡耀邦総書記などは運動を擁護していました。鄧小平の後を上海閥の江沢民、共青団出身の胡錦涛が国家主席となり2012年太子党習近平に継がれています。 

世界2位の経済大国中国の躍進

高度成長期を走り続けた日本経済は行き過ぎた金融経済を招き4年3か月のバブル期の崩壊(1991~1993年日本バブル崩壊期)を招きました。金融経済破綻(土地バブル)によって戦後積み重ねてきた成長期、オイルショックも乗り越えてきた日本社会の衰退(平成不況)が始まりました。日本の新興国への産業生産移転によって、改革開放を進める中国にとって大きな大躍進に繋がりました。最大の要因は労働コストの差にありました。日本の産業移転は台湾・中国・韓国に拡大、技術人材移転も加速しました。成長の止まった日本を凌ぐ勢いで新興国が成長を遂げました。同様に2008年アメリカのリーマンショックによる世界規模のバブル金融経済破綻が起こりました。世界を牽引してきた日・米の破綻によって、成長続ける中国は2010年日本を抜いて世界2位の経済大国に成長しました。2019年に日本の3倍のGDPを記録し、14億人の民と労働力に支えられ、成長の中で賃金も高騰し1億人の富裕層を抱え旺盛な消費力によって成長を続けてきました。改革開放の中で外国からの投資を呼び込み中国発展の礎を築き上げました。高度成長を続ける中国は共産党一党支配の中で権力を維持し、軍拡も行って世界をリードする躍進を遂げてきました。技術支援なども行った日本以上の成長戦略を掲げています。進出する日本企業も厳しい対応の中で模索を繰り返しています。

トランプ政権下において米中対立激化

米中貿易摩擦勃発関税合戦

中国の成長と共に弱る米国経済と国力を憂慮したトランプ大統領は中国に厳しい関税を掛け、互いに掛け合う厳しい対立を繰り返しました。2917年トランプ大統領は最大の論点として米中の貿易収支を掲げ、自国第一主義を掲げて貿易戦争に打って出ました。成長する中国は一帯一路構想の実現を目指し世界の工場としての地位を築き上げました。2020年1月中国武漢市発祥の「新型コロナウイルス」が世界に広まり、最大の感染者数を記録したアメリカはワクチン開発などを乗り越えて、新たなステージに踏み出しています。中国は「ゼロコロナ政策」での成功を推し進め、感染力の強い「オミクロン株」が一人でも発生すれば封鎖を行い2400万人の商業都市上海のロックダウンを一か月以上続け住民・商業・工場生産・物流などに致命的な支障が起こっています。

ウクライナ国境に10万人規模のロシア兵と戦車

ロシアプーチン大統領は2021年12月にウクライナ国境に10万人規模のロシア軍と大量の戦車部隊を集結していました。欧米の軍事衛星で確認し、アメリカバイデン大統領は厳しい制裁を科すと警告しました。NATO加盟国も同様の対応を発しました。欧米を中心とした自由主義圏は中国に対しても対応を求めました。専制主義国家中国はロシアを擁護する立場をとっています。

多くの自由主義圏は開会式をボイコットする事態中でドーピング問題で国家として排除されているロシアプーチン大統領を招き、2月4日重要な中露首脳会談が行われました。ゼロコロナ政策取る中国もオミクロン株の影響で無観客開催に追い込まれました。

2月24日ロシアがウクライナへ侵略戦争を仕掛けました。