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日本の車載用電池 復権をかけた戦い

温室効果ガス排出ゼロとリチュームイオン電池

リチュームイオン電池の開発(1985年)されて6年後(1991年ソニーがハンディービデオカメラに搭載したのが商用化始まり、京セラの携帯電話にも採用され徐々に広がりました。世界シエアー95%は日本でした。日本の電池は安全性・コンパクト・軽量化などの技術を積み重ね、ノートパソコン・携帯電話・スマホなどに発展してきました。世界はガソリンエンジンの自動車開発を続ける中でTOYOTAがバッテリーを有効に使うハイブリッド技術を開発しガソリンの消費効率を格段に上げてきました。世界は地球温暖化の危機が迫る中で温室効果ガス排出ゼロを目指してしのぎを削っています。車載電池の開発進化と合わせ自動車のEV化は世界の潮流となりつつあります。中国・EU・米国・韓国を中心にEV化へ突き進んでいます。ハイブリッドのトップ企業トヨタ自動車も昨年9月、12月の2度にわたって記者会見を行いEV化の生産台数・車載電池等の開発に8兆円(2030年まで)規模の投資を発表して追随する意向を示しました。日本政府も縮小する車載電池の復権をかけた取り組みを始めました。

世界のトップ企業トヨタが350万台/2030年目標

2021年12月14日 トヨタ自動車豊田章男社長が登壇し、トヨタ自動車は2030年までに350万台/年間のEV自動車生産とハイブリッド車、プラグインハイブリッド、FCEV(水素燃料電池車)及び車載電池開発(2兆円)合計8兆円の研究開発・設備投資を行うと発表しました。トヨタはEV自動車に興味がない、EV化に遅れている批判される中で満を持して計画を発表しました。9月のTOYOTA担当役員の記者会見から3カ月、大きく計画を拡大して社長が直接記者会見で発表しました。EV自動車(リーフ)で10年の実績のあるNISSANも車載電池開発に2兆円を投じることも発表されました。HONDAは2040年までに全車EV自動車にすると発表しています。 

ハイブリッド技術でトヨタ一強の自動車産業

コロナ過と半導体不足で生産と販売に苦しむ日本の自動車産業界において、トヨタは2021年度世界販売一位を5年ぶりに取り返しました。しかし、世界の自動車産業は国家をあげてEV化に舵を切っています。高度なハイブリッド技術で世界を制覇したTOYOTAは大きな流れの中で厳しい判断が求められていました。10年前に電気自動車リーフを販売した日産自動車は年間1万台台~2万台の低い台数で推移しています。トヨタのプリウスも2000年~2005年の初期の頃は販売台数は伸びていません。2010年トヨタ章男社長の就任最初の大仕事は「アメリカ議会の公聴会」での宣誓でした。プリウスのリコール問題で事故による裁判が続き、議会公聴会での答弁と宣誓の厳しい局面で誠実に対応することで信任を得てハイブリッド自動車プリウスの信頼を勝ち取り、トヨタの信頼を世界に示した。

ハイブリッド車両は2021年度、今も信頼のクルマ

国によって違うハイブリッド車両の規制

トヨタは今もハイブリッド車の進化を続けています。初期の頃よりも燃費効率は数段改善され、EV自動車を凌ぐ技術の進化を遂げています。化石燃料で発電する電力を利用する不都合との厳しい判断と自動車メーカーと各国の状況で大きく違ってきます。日本もハイブリット技術で先陣を行くトヨタとの差が埋まらない現状があります。

トヨタは頑なにハイブリッド・FCV(水素燃料電池車)プラグインハイブリッドに固執していると揶揄する論調が続いてきました。

2021年12月14日 豊田社長は30種類の電気自動車(試作車)を前に2030年350万台のEV自動車の生産・販売を行うと発表し、明確な歩みを披露しました。自動車工業会(自工会)の会長を3期目も引き受け、日本の自動車産業(550万人)の雇用を守り抜くと宣言しました。初めて6人の副会長(主力自動車会社の社長)が連なりともに仲間づくりを目指して進むと会見で述べました。

EV車は車載電池・充電インフラなどの難点

EV自動車用の車載電池シエアーは中国・韓国に追い越され、パナソニックがかろうじて残り、最大のテスラ車の指定電池(4680)開発、和歌山で生産納入することが決まっています。テスラはパナソニックとアメリカ工場を共同で電池生産を始めましたが、途中でテスラは中国CATL、韓国SGなどのバッテリーに乗り換えていました。最新でテスラ電池から円筒形4680開発指定され採用され生産を始めました。車載電池では固体電池の開発に世界がしのぎを削っています。トヨタはハイブリッドで培った電池技術などの中で、固体電池の開発も続け世界的な特許件数最大で先行していると言われています。しかし、安全性、耐久性などクリアしなければならない問題も残されているとしています。車載電池ではアメリカGM自動車、韓国現代自動車などに使用されているLG製バッテリーの発火事故起こりリコール対象になっています。中国の200社を超える電気自動車の廃車バッテリーの処理にも問題が起こっています。トヨタはバッテリーはハイブリット車両のバッテリー技術と安全性をベースに固体電池の開発に向けた地道な積み重ね行い、EV自動車生産工場のラインに電池製造のラインを造る計画を発表しています。EV自動車は安全性・充電時間・充電インフラ整備など国家として解決しなければならない問題が沢山残されています。日本のガソリンスタンドに充電設備が設置できない安全性と法的整備が課題になっています。

EV自動車の流れは止められない、日本の技術力

2022年、EV自動車の流れは止められない、550万人の雇用を守る自動車産業のエネルギーを絶やすことなく技術開発と国内生産を維持し、主力のエンジン生産技術と人材を風力など多くの産業でカバーする社会の仕組みを官民一体で力強い歩みを続けてほしいと願っています。