コロナ蔓延から半年、世界の情勢に思う

「リーマン越え」から「大恐慌並み」へ

日本は新年度(4月1日)を迎えた頃、感染拡大の第一波の懸念がありました。シルクロードを経由してイラン・イタリアに広がった感染は欧州~アメリカ各地で医療崩壊を招き大混乱に陥っていました。発生源の中国は4月8日(コロナ発祥地)の武漢市の都市封鎖を解除しました。中国の封じ込め成功後も、感染は欧州・米国~世界各地に広がり、最大の感染国アメリカのニューヨーク市は都市封鎖に陥り大混乱になっていました。日本も第一波の拡大が始まっていました。

4月7日の感染累計 中国81740人、韓国10331人、日本3906人、イラン62589人イタリア132547人、スペイン135032人、フランス74450人、ドイツ99225人、英国75625人、アメリカ397992人

日本は自粛要請で感染拡大を乗り切る

日本は4月7日感染者累計3906人(非常に少ない)で緊急事態宣言を発令し、世界からPCR検査不足「保健所の37.5℃を3日計測で検査」を指摘され、さらに都市封鎖などをせず「国民の自粛で」難局を乗り切ることは不可能と揶揄されました。ゴールデンウイークもステイホームで前年の90%以上の移動減少によって第一波の感染を抑えました。欧米への感染拡大はリーマンショック・100年前の世界大恐慌を上回る経済の落ち込みが予測されました。

世界のGDO が2020年度どこまで落ち込むか

4月8日に中国湖北省武漢市の都市封鎖が解除され、中国は感染者8万人で収束に向かい経済の再生が始まりました。しかし、欧米を中心として感染拡大が続き混乱状況にあり、自由経済圏の交易がストップし経済が大きく停滞しました。各国は大規模で徹底した金融緩和を行い経済の下振れの食い止めを図りました。しかし、感染拡大は収まらずリーマンショックを超え、100年前の大恐慌以上の経済危機を迎えていました。収束で一早く経済活動を再開した中国はマスク外交をもって世界の覇権国家の姿を見せる結果になりました。最大の経済大国アメリカは400万人を超える感染者数で苦しい状況にあります。

中国共産主義国家の建国70年

コロナ発生源の中国の習近平主席体制は共産主義体制で世界制覇の野望を推し進めています。ソビエト連邦崩壊後資本主義の勝利と評価されていましたが、中国共産党は困窮した社会の中で、14億人の巨大国家は内紛や文化大革命など壮絶な社会を超えて、復権した鄧小平が市場経済を取り入れ「改革開放」を掲げ転換を図りました。しかし、さらなる開放と自由を求めた天安門でデモ事件(1989年6月4日)を武力で抑え込み、「社会主義市場経済」に移行して今の中国の繁栄をもたらしました。自由主義社会では許されない国家統制社会による市場経済を行っています。すべては共産党一党独裁国家が存在します。中国の領土とする台湾、一国二制度を掲げる香港の自由主義を許さない「中国国家安全法」による締め付けが今後大きな火種となります。

自国第一主義を掲げたトランプ大統領

1775年アメリカ西海岸の英国植民地13州の独立戦争で生まれた国家は拡大を続け、1861年の南北戦争(北部23州と南部11州ー奴隷制度存続問題で南部11州合衆国を脱退)の内戦はリンカーン率いる北部が勝利しました。しかし、移民国家の歴史は変わらず、人種差別が絶えず紛争の火種となっています。2001年11月のニューヨーク同時多発テロ、2008年のリマンショックなど世界の警察と言われた国家も世界的権威も失墜し、中国の台頭が著しく厳しい選択と対応に追われています。4年前、強烈な表現で大統領に上り詰めたトランプ大統領に世界が振り回されることになりました。最大の敵を中国として「貿易戦争を仕掛け」軍事を見せつけ、ビジネスマンとして同盟国にも「自国第一主義と損得」で過去の重ねてきた約束を反故にして混乱させることを良しとして発言しています。11月の大統領中間選挙でアメリカ国民が損得を選択します。