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トヨタの全方位戦略と脱炭素の厳しい道

豊田章男社長、就任後 アメリカ公聴会に出席

米国は2008年の金融バブル危機「リーマンショック」で厳しい環境の最中に、プリウスのハイブリット車800万台のリコールが発生、さらにアクセルとブレーキ連動の不具合で米国で訴訟に発展、アメリカ運輸局によって米国議会の公聴会に招請が掛かり、就任間もない豊田章男社長が経営トップとして証言台に立つことを決意しました。リコール問題と急発進のアクセルペダルの問題の証言を行い米国運輸局の理解を得て乗り切ることが出来ました。世界情勢の厳しい中で70年ぶりの赤字に転落したトヨタの命運をかけて豊田一族の登板、豊田章男社長の就任最初の大仕事はトヨタの再構築と米国議会の公聴会の証言、技術の証明にかかっていました。トヨタは厳しい難局を乗り越えハイブリッド車の生産を加速させました。

ハイブリット自動車の戦略で世界を制すトヨタ

2011年3月11日、東日本大震災によって起こった東北復興の中でプリウスの小型版アクアを東北岩手工場で生産開始、翌年(2012年10月)にプリウスの生産台数を追い越し日本一の生産台数になり東北復興のシンボル産業となりました。トヨタ東日本の岩手工場も拡大し「アクア」以外の工場、ラインも増え東北復興から日本自動車産業の裾野を広げ「日本のものづく」を支えています。トヨタが描く戦略が一企業に依存することなく新たな技術革新とものづくりのこだわりを描けると日本の未来も明るくなります。日本最大550万人の労働力をささえる自動車産業界の発展維持はものづくり日本を牽引する産業です。自動車の動力源にエンジン技術は欠くことないものでした。EV化によってエンジン→モーターの大転換の社会現象に直面します。トヨタは550万人の雇用の維持を図るためにも、まだまだ不都合のあるEV化に全面的に切り替える懸念と全方位の選択肢を模索しながらEV化の準備も行っています。

トヨタ一強の日本の自動車産業の行方

普通乗用車で国内シエアー50%を占めるトヨタ一強の業界で世界の自動車産業を牽引していく厳しさが気がかりです。今も進化を続けているハイブリッド技術が

世界のEV化の流れで縮小されるのかトヨタの選択肢は難しい局面に差し掛かっています。トヨタは水素を使ったMIRAI(2代目)を発表しました。水素は排気ガスゼロで水が排出される仕組みでトヨタは開発を進めています。水素の利点を生かし欠点を克服努力を進めています。サーキッドにカローラに水素を積載して直接エンジンに注入爆発させて走行する車両でサーキットレースに参戦可能性を追い求めています。

「ものづくり日本」の歴史を積み重ねた高効率エンジン、ハイブリッドエンジン、水素車(MIRAI)、水素エンジン車、EV車、プラグインハイブリッド(PHV)など「全方位車両技術」もって世界に挑戦しようとしています。自動車工業会の会長を3期引き受け「仲間づくり」を考えながら共存の道を模索し、550万人の雇用に繋げていく決意を再々披露しています。

日本経済復活の鍵を握る自動車産業

現在採用されているリチュームイオン電池は1970年~80年代の3人の技術者によって繰り返し充放電できる技術の素を築き2019年3名がノーベル賞を受賞しました。3人目の研究者に基礎研究を完成させた旭化成の吉野彰が炭素ベースにした電極で流れる電流の発火を抑えた電池を開発、ソニーのハンデービデオカメラ搭載し商用化に繋げました。リチュームイオン電池はパソコン、携帯スマホ、ハイブリッドの車載電池、発電蓄電池など市場規模の可能性は数10兆円規模の可能性があります。しかし、未だ火災の危険性は潜んでいます。衝撃や無理な稼働、劣化など車載電池などで発火の危険とリコールが起こっています。

トヨタはハイブリット車の電池で自社電池を採用しながら研究開発に勤めています。急速充電、安全性を確保する固体電池(現在は正極⇔負極に液体)があるため、過度なことで熱暴走を起こす危険性があります。充電を早くすると発火の恐れがあるので充電時間が長くかかります。この技術開発に世界がしのぎを削っています。

リチュウムイオン先進国日本の産業の今、韓国・中国に引き離され停滞しています。日本の技術産業の復活を掛けた戦いが熾烈になっています。トヨタも固体電池の特許本数では一位ですが完成に至っていません。ミニの固体電池は村田製作所など数社が生産開始しています。