テスラEVの時価総額はトヨタの4倍?
EV自動車テスラの時価総額はトヨタの4倍と言われ、欧州・中国ではEV化が加速しています。日本は「2050年温室効果ガス排出ゼロ」宣言して経産省もEV化を重視しています。日産はEV化に先行し、ホンダも2040年までにすべての車種をEVと燃料電池車にすると表明しています。トヨタは内燃機関の雇用の重要性などを危惧し、化石燃料で発電する電気にも疑問を投げかけながら水素燃料電池車(MIRAI)、水素エンジン車を走らせ、世界最高のハイブリッド車を維持しています。しかし、内外からの圧力は厳しく、一社のみが抵抗する構図が続いています。最大の消費国中国はEV自動車生産に多額の補助金を出して奨励して加速しています。中国には政府の補助金を利用した200社を超えるEV自動車メーカーが乱立状態にあります。
世界トップの自動車メーカートヨタに注目
戦後の高度成長を支えてきた「ものづくり日本」の象徴である自動車産業は厳しい試練の場に立たされています。日本は安価で高度な技術を駆使して経済大国としての地位を築いてきました。バブル経済の崩壊によって日本の地位は揺るぎ、アジア新興国(台湾・中国・韓国)の順で成長を遂げ、2010年に中国は日本を追い越し世界2位の経済大国になり今も成長を続けています。日本の成長を支えた白物家電、液晶テレビ、半導体(ITチップ)、鉄鋼・造船技術なども新興国へ移り、日本のものずくりの基幹産業を大きく衰退させてきました。唯一残されているトヨタのハイブリッド技術が、EV自動車に置き換わろうとしています。
「トヨタ」ものづくり日本の最後の大きな砦
2013年安倍政権「アベノミクス」スタートにおいて輸出が増大し”GDP年率+2.6%”を押し上げたと言われています。安倍政権の最初のエンジンはトヨタハイブリッド技術にあります。2010年2月、トヨタのプリウスリコール問題でアメリカ議会の公聴会での証言でトヨタの安全技術が一定の評価を受け、豊田章男社長の就任デビューとなりました。”効率の良い安全な車をお届けすることがトヨタの使命”であると証言し乗り切りました。中国は高度成長の入り口にあり日本のGDPを追い越した年になります。アメリカの厳しい公聴会に耐えたハイブリッド技術はトヨタの大きな柱となりました。
ベールに包まれたトヨタの車載電池開発
トヨタはHV車で培った電池技術を生かして、自社の工場に隣接する形でHV・PHV・EVの車載電池を生産することを宣言しています。2022年半ば投入される初のEV自動車「bZ4X」はスバルと共同開発した車両で日本・米国・欧州・中国へ投入する計画、アメリカのノースカロライナで電池工場を2025年生産で80万台→120万台の計画数量で建設が始動しています。トヨタの電池開発は”最大の特許(固体電池)とHV電池で培った技術”の完成を目指して取り組んでいることにあります。車載電池は高速充電・航続距離の拡大・EVスタンドの整備・車載電池の発火の危険性・電池コストと長寿命化などいろいろな課題が山積しています。トヨタは地道な技術を積み重ねて安全な車両の提供を追い求めています。