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中国共産党100年 今、何が起こっている?

恒大集団だけではない中国の現実

国家と共に成長してきた中国民間企業の「恒大集団」33兆円の金融債権の順次訪れる償還が厳しい状況が報じられています。デフォルトの危険性によって世界的な株価暴落に発展しました。最初の償還期限の決済が実行され、株価も落ち着きました。しかし次の償還分は先送りされ不穏な状況が今も続いています。中国国家としてもソフトランディングを模索している中、不動産事業関連でかなり不良債務が潜在化しており簡単な処理では収まらない状況であると報道されています。一か月近くなった状況で、昨日も報道ニュースが流れています。個人に被害が及ばないように、順次整理をしながら、其々の銀行や地方行政、国内などをベースに減債させていくのではないかと報じています。

投機的な高層マンションの危機

中国は”土地は国家のもの”で都市に建ち並ぶ高層マンションは地方行政から開発許可を得て、不動産会社が許可と開発、建築の資金を借り入れで調達し、販売資金で返済を行っています。国家ぐるみで成長戦略を続け20年間で巨大不動産事業者が沢山成長しました。恒大集団も25年前に一人で創業して政府と一体となって成長してきた集団で、集まる巨額資金をもとに、2010年にはプロサッカー(恒大)に参入、10万人集客の豪華な巨大サッカースタジアムを建設中、電気自動車産業にも参入投資、それ以外にも多角的に参入し、巨大な債務が膨れ上がっています。成長続ける巨大企業が中国では国家の指導の下に成長し国家を支えています。日本のバブル経済よりも桁違いに大きい状況も考えられます。成長するIT業界にも大きなメスを入れています。

急成長国家と人口で統治の厳しさ

中国共産党、習近平国家主席の指導体制で13億人の民を統治する巨大国家ピラミッドは想像を絶する組織であると考えられます。戦後成長を自由民主主義の中で成長した日本社会と大きく違うことが想定されます。近年の香港・台湾情勢などの報道で見ても「国家安全維持法」の下で統治する厳しい社会があります。南シナ海の岩礁を埋め立て軍事空港を建設、近隣諸国を経済と軍事力で圧倒して厳しい環境を造り出しています。台湾の防空識別圏内に4日間で150機の軍用機が侵入を繰り返し牽制しています。経済の結びつきが強い日本と中国の関係においても、尖閣諸島への侵入を繰り返すなど交流の難しさが漂っています。

中国不動産会社の債務危機

恒大集団のデフォルトが始まってすぐ、10月5日2番目の不動産会社の債務不履行(中国不動産中堅の花様年控股集団)が確認されました。ネット上では沢山の不動産会社集団が多額の債務を抱えていることが企業別に数値で示されています。10月15日中国不動産会社キン苑が社債の≒300億円の償還期限を再発行の社債と現金でデフォルトを回避した報じています。日本のバブル時に起こった金融・不動産事業等の破産に直結するような事態が中国にも表れリーマンショック級の事態も想定されると報じています。強い中国国家集団がどのように対処するか注目されています。中国国家が放置すれば燻ぶり続ける不動産集団のデフォルト危機が続きます。

中国不動産 マンション建設現場 工事中断
中国不動産 マンション建設現場 工事中断

中国不動産投資が減少、関連業種に影響

恒大集団のデフォルト危機は一企業に留まることなく、同様の不動産事業にも及びその影響が順次報じられています。不動産事業の多くは多額の借財を抱え、政府の金融政策が変わればすべてに及んできます。既にマンション開発現場では工事が中断され完成の目途が立っていません。開発と建築を請け負っている事業者と購入投資家に大きな危機的状況が広がっています。中には数百戸購入して転売している事業者もあるようです。中国政府は対応を間違えば日本のバブル期を想定するような事態も起こり得ます。中国政府はどう対応するか? 中国経済を支えてきた不動産投資の大きなゆがみが見えています。