最後のフロンティアミャンマーの危機
戦前、英国領ビルマの独立運動に日本軍とともに戦った父アウンサン将軍は戦後英国領からの独立を勝ち取ったビルマ建国の父です。後に暗殺され、軍がクーデターを起こし国を掌握し50年間軍政を引きます。
貧困国ビルマは北部の山岳地帯の麻薬密売、少数民族との争いが絶えず、国境を接する中国の政変の影響を受け国民の貧困が続きます。建国の父アウンサンの長女スーチーがビルマに戻り、幽閉されながら民主化を唱え続け、10年前軍政の影響を受けながら、選挙によって選ばれた政党を率いて国政に進出外交を担いました。
世界とミャンマー国民は最後のフロンティア国家の誕生に喚起し希望を抱きました。しかし、成長を続け一帯一路構想を掲げる隣国中国の影響力は大きく、貧困の国家の宿命が不安定なミャンマー政権の根幹に流れ再度軍事クーデターが勃発しました。
国民の支持を受けるアウンサンスーチーと国軍
2015年に行われた自由で公正な選挙で勝利したNLD(国民民主連盟)を率いたアウンサンスー・チーは昨年の選挙で80%の議席を獲得し2月1日2期目の議会に臨む予定日に軍事クーデターが起こりました。
元々、議会は規定で4分の1が軍議員が占め、規則改正には大きなハードルがある歪な国家規定があります。
危機を感じた国軍司令官がNLDの主力メンバーを拘束するクーデターを起こしました。国民の多数が反対デモを起こし、世界の多くが危惧を表明しました。影響力のある中国はミャンマーの内政に関与することを拒否しました。一帯一路構想の重要拠点ミャンマーへの影響力が懸念されています。
ミャンマーユニクロ2工場火災 放火の疑い
戒厳令下で最大の都市ヤンゴンでユニクロ・GUの2工場(ミャンマーに6工場稼働)で火災が起きました。中国運営の縫製工場も火災によって負傷者も出ている。日本はミャンマーに進出している企業は400社を超え、経済活動に参加しています。軍事クーデターが続き不安定なミャンマー国家が続き、さらに中国の関与が続けば日本企業の進出継続が厳しくなります。
ミャンマーは中国の経済圏で重要の位置にあり、中国、インド、バングラデシュ、タイと国境を接しインド洋に面する重要なフロンティア国家です。
何時まで続くデモと無抵抗者への銃撃、すでに180人が死亡、国連でも中国の反対で調整が難航している。