· 

東日本大震災の恐怖と復興の10年

大惨事を起こした自然災害の恐怖

巨大地震による大津波が三陸リアス海岸に押し寄せ、入り江を囲んだ防波堤を乗り越え、生活や商いをする街を一気に飲み込みました。

700㎞離れた大阪でも地震動が伝わり、大阪咲州庁舎(38階建(さきしまコスモタワー)が長周期振動で揺れ亀裂損傷が起こりました。

500㎞に及ぶ沿岸部の街並みが甚大な被害

沿岸部に密集する街に押し寄せた大津波で人・もの、全てを飲み込んで3階建てのビルの屋上に自動車(画像)が浮き上がり、大半の家屋や商業施設が押し流され基礎のコンクリートだけになってしまいました。

直接的な被害額は26兆円に上ると政府は試算しました。しかし、人の心の被害は推し量ることが出来ません。がんばろう東北!打ちひしがれた被害者は復興へと歩み始め10年が経過しました。

人為的なミスを起こした福島原子力発電所の爆発事故

16mの防潮堤を乗り越えた大津波は福島原子力発電所の電源喪失を引き起こし原子炉を冷やすことが出来ず、1号機~3号機が順次水素爆発を起こして、世界最大規模の原発事故に発展、放射性物質が広範囲に飛散する大惨事になりました。資源の少ない日本はオイルショック以降、電源三法(1973年オイルショックの翌年、1974年成立)にる交付金によって、工業用・産業用の安定的電源として50基以上建設されました。現在運用中33基、廃止・解体中26基になって、 2021年3月現在九州電力4基のみが稼働しています。10年前の原発事故で大半の原発が停止し、電力不足が露呈しましたが、多くの努力で電力不足を乗り越えてきました。日本は新たなエネルギー政策が問われています。地球温暖化による「2050年温室効果ガス排出ゼロ宣言」によって、原子炉の賛否が問われています。

災害大国日本の新たな歩みが始まっています

温暖な四季に恵まれた災害大国日本

四季に恵まれ気候温暖な日本は4つのプレートの狭間に位置し、地殻変動を繰り返しつくられた日本列島になります。世界でも有数の地震・火山国です。地殻変動を繰り返す地球のプレートの圧力によって蓄えられたエネルギーが限界に達しプレート付近で跳ね上がり巨大地震や津波を発生させます。地震予知を研究してきたけれども瞬時に起こる余地は難しいと言われています。何時、何処で、どんな地震が発生するかわからない準備は難しいことです。25年前の阪神淡路大震災も1995年1月17日5:45阪神・淡路に潜む内陸活断層によって戦後最大の地震災害を経験しました。活断層地震は全く予想もしていませんでした。活断層は100~1000年などの期間の歪で起こった地震で日本各地に無数に存在します。長いエネルギーの蓄積で突然起こります。

原発の危険性は活断層直下も指摘されています。今日もテレビの画面緊急地震速報が報じられています。予測できない恐怖の中に私たちは生活をしています。原発事故によっておこる放射能の拡散は甚大な被害につながります。今も危険地域に指定された原発周辺の放射線量は下がりません。

3月11日、東日本大震災の10年の節目の年

新型コロナ感染第3波の中、震災10年を迎える

2020年に予定された東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナの世界的蔓延によって1年延期され今年開催の準備中です。3月25日 復興五輪として福島をスタートする聖火リレーがが始まります。漸く復興の基盤が出来た10年の節目に、厳しい感染症(疫病)の渦の中に巻き込まれています。災害国家として苦難に立ち向かう新たな一歩が「東京オリ・パラ開催」の成功による感動によって癒されることを願っています。