日の丸半導体をベースに令和の復活シナリオ

半導体の不足と高度化技術が求められている

1980年代集積回路(ICチップ)は日本の電機メーカーが競って開発・生産で世界の大半を担い成長の基盤となっていました。バブル経済崩壊を境に近隣新興国(台湾・中国・韓国)との価格・生産競争に敗れ、縮小転落の産業となり2023年現在10%切る状況に陥っています。一方で新興国3国は互いに技術革新と競争に打ち勝ち世界の大半を生産しています。日・米・欧の先進国は新興国の半導体に委託する社会が出来上がっています。半導体開発国アメリカは日本の成長に困惑し、今、新興国に大きな危機を感じて、開発技術・生産において自国(アメリカ)をベースに大転換を試みています。日本も同様に「日の丸半導体」の復活を掲げて取り組みを強化を官民一体で取り組んでいます。

台湾TSMCと日本ソニーが熊本に工場建設

熊本で急ピッチ(昼夜突貫工事)で半導体工場が建設されています。TSMC熊本工場は10ナノの時代遅れ(現在は3ナノが最先端)の工場を建設しています。政府も多額の補助金を投入、世界的な半導体不足を解消する狙いで急いでいます。自動車産業でトヨタのプリウスは発注して納車まで半導体不足が大きく影響して2年を要しています。自動車の運転技術の高度化に伴い益々不足が長引きます。今更に、熊本にTSMC+SONYが第2工場建設の土地確保の準備に入っています。

次世代半導体の進化が求められている

社会に求められる 飽くなき技術の挑戦が続けられ、2000年初頭IT革命によるネット社会の実現、2010年のスマホ革命、地球温暖化によるEV自動車の普及、さらに近未来社会における自動運転技術、無人ドローン革命、AI革命、チャットの時代へと革新的に変化を求める時代に、次世代半導体が必須になっています。次世代半導体は過去の技術を革新的に変える必要に迫れれています。50年前、集積回路(ICチップ)先進国であった日本は、技術の復活を掛けて次世代半導体の生産に官民一体で革新的な組織と工場建設を決定しました。北海道千歳の広大な土地に設立起業ラピダスが数兆円規模で、最先端の工場建設を開始しました。熊本に台湾TSMC+ソニー第2工場建設、広島にアメリカ企業が半導体工場進出、韓国サムスンが横浜に半導体研究施設など工場建設計画が加速しています。

インテルの創業者ムーアの法則

アメリカインテルの創業者の一人ムーアが1965年の寄稿で、集積回路(IC)が発明されて以来、技術の進歩により半導体の集積度が毎年2倍になっていると指摘。これをムーアの法則と呼ばれるようになった。日本では成長を遂げる電機メーカーがそれぞれ工場を立ち上げ生産を拡大してきました。徐々に開発国アメリカを凌ぎ生産を拡大、日本の成長に大きく貢献しました。生産によって利益を上げ、時には過剰となり浮き沈みの大きい部門であり、生産と過剰在庫の繰り返しでバブル経済崩壊後日本の生産は大きく減少しました。トランジスターから集積回路(ICチップ)へと拡張してきた技術が半導体と呼ばれ、AI技術・EV自動車用パワー半導体技術、3D技術の次世代半導体の時代に突入することになっています。微細化・高速化の進化が次世代への大きなハードルになっています。飽くなき挑戦が問われています。