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2030年 温室効果ガス46%削減で世界をリード

技術革新と経済界・国民の理解と政治のリード

日本は温室効果ガス排出技術立国です。しかし、平成不況と東日本大震災による原発事故(2011年)で、電力エネルギー政策が大きく後退しました。原発稼働が停止、石炭火力発電の復活でガス排出量が増えました。技術を生かした高効率の石炭火力発電技術を日本で開発、海外輸出も加速させました。しかし、スペインのマドリードCOP25(2019年12月)で日本は石炭火力発電を推進していると世界から厳しい非難を受けました。批判的な化石賞を出席した小泉環境大臣が受ける屈辱を味わいました。その後、菅政権の所信表明「2050年温室効果ガス排出ゼロ」目指す数値を示しました。

削減目標を主導する小泉環境大臣

第4次安倍内閣から環境大臣初入閣し、就任すぐのCOP25に出席、「化石賞」をもらって世界の非難を浴びました。菅内閣で環境大臣再任で、世界の中心的な課題に取り組むことが求められました。自民党青年局長として要職に就き、近年、重要な環境大臣として期待されています。しかし、日本経済を揺るがす、温室効果ガス排出ゼロ政策実現には厳しい道のりが予測されます。原発再稼働の是非、再生可能エネルギーのコスト、電力行政の送電網の壁、国民・産業界の協力と政策実現の迅速化、諸外国との技術競争など目標達成に大きなハードルが待ち構えている。

排出ガスゼロの再生可能エネルギーへ

再生可能エネルギーの拡大の一番に風力発電を挙げています。米国・中国の広大な面積、英国は遠浅の海に恵まれています。日本の地形に風力発電の最大の適地は北海道、秋田沖、九州など適地は限られてきます。首都圏や関西圏の電力消費地に距離があり、送電網の強化が必要になります。以前淡路島の西海岸は風も強く、関西圏に近いことで「適している」と聞いたことがあります。漁業の盛んな日本では漁業権などの難しい問題もあります。日本には「規制緩和と権利」が横たわって、承認許可に年数が掛かります。

日本は戦後復興、高度成長期の電力確保に国の管理下(経済産業省)の基に、電気事業連合会(10社)に地域の電力の発送電を独占運営させていました。太陽光発電などの再生可能エネルギーの送電規制が電力会社から行われました。政府は福島原発事故後の対応に絡めて、発送電分離を2015年閣議決定し2020年運用開始を決定しました。政治と産業界の垣根はまだまだ残されています。

日本のエネルギー政策の決定は大きな影響

電気事業連合会(10社)に独占委託してきた電力エネルギー政策の大きな転換期にあります。ベースロード電源の原発事故により、稼働が難しくなっています。代替えとして石炭火力発電などで凌いでいますが、温室効果ガス排出の最大のエネルーギーで、世界は廃炉・縮小に向かっています。