排出ガスゼロ 未来へ動く 水素社会

日本はハイブリッド車と軽自動車の進化

1997年Toyota初代プリウス(世界初の量産ハイブリッド車)を市場に、石油資源のない日本は燃費向上と車体軽量化を図りハイブリッド車で世界をリード、国内では軽自動車の進化を遂げてきました。2年遅れてHondaも独自のハイブリッド車インサイトを市場に送り、技術と価格競争を求めて市場に参入しました。Hondaは2年後(2001年)小型ハイブリッド車フイットを発売、価格を低く抑えたハイブリッド車を市場に投入しました。トヨタも対抗車種と価格に対応し、ハイブリッド車の世界展開の効果を生み出しました。日本市場では小回りが利き、増える女性ドライバー向けに軽自動車が改良を繰り返し、低燃費性能と安全性などの進化を遂げて台数を拡大しています。

世界は電気自動車(EV車)に向かう

中国は急速な経済発展によって工業化が進み北京をはじめ主要都市の大気汚染がひどくPM2.5が2010年以降深刻な 状況に陥り、中国政府は大気汚染の改善を迫られました。冬の暖房などに使う石炭火力、自動車の通行制限などの対策を実施しました。最大のCO2排出国として、国連気候変動枠組条約(COP)の温室効果ガス排出削減の枠組みに積極的に参加するようになりました。

資源の少ないEU圏は安い軽油のジーゼル車を唯一の車種としてきましたが、CO2排出規制の達成は難しく現在EV車にシフトする方向になっています。中国も技術的に可能性のあるEV車生産に傾いています。日本では日産のリーフ、アメリカのテスラ、中国の新興電気自動車メーカーが先陣を切っています。世界の自動車生産はEV車に向かっています。しかし、充電スタンドの不足と急速充電時間30分の弊害、発電所の元は化石燃料の火力を使って二酸化炭素を排出しています。

2050年温室効果ガス排出ゼロ宣言 水素社会へ

二酸化炭素排出ゼロ 水素社会の実現

日本のトヨタとホンダが次世代自動車に排出ガスゼロの水素自動車の開発を行っています。

トヨタMIRAIは2020年12月、6年ぶり2代目MIRAI を発表し実現に向けた歩みを加速しています。日本は菅政権において「2050年温室効果ガス排出ゼロ宣言」を柱とした技術革新を成し遂げるとしています。一つのKEYワードとして「水素社会の実現」があります。水素に酸素を取り入れエネルギーとし、排出は水のみで「排出ガスゼロ」エネルギーです。2025年の大阪万博では水素エネルギーの社会を演出することが予測されます。

世界最大級の再エネによる水素製造施設完成
2020年2月末 産業技術総合開発機構、東芝エネルギーシステム・東北電力・岩谷産業が2018年から福島県浪江町に建設を進めてきた再生可能エネルギー(太陽光発電等など)を利用した世界最大級の水素製造施設が完成、稼働を開始しました。完成した「FH2R」では68000枚の太陽光パネルの発電による電力で浪江町の水を電気分解し「浪江産CO2フリー水素」がつくられます。本施設はクリーンで低コストな水素製造技術の確立を目指します。
すいそ ふろんていあ号 神戸で浸水
すいそ ふろんていあ号 神戸で浸水

水素輸出大国を目指すオーストラリア

 

さまざまな資源から作ることが出来る水素は、水や廃プラスチック・廃棄物などや利用されずに埋蔵されている褐炭などから水素をつくることが出来ます。既にオーストラリアでは褐炭を水素にする事業が動き出しています。2020年2月、液化水素運搬船を神戸の川崎重工業で建造浸水しオーストラリア~神戸間の輸送を開始しました。

国内でもエネルギー資源の需要を喚起し、自動車や各地の工場などエネルギー産業基盤の起爆剤としての開発がすすめられ、2050年の温室効果ガス削減の基幹産業の発展を目指します。