次世代太陽光発電 ペロブスカイトの実用化へ

積水化学 ペロブスカイト堺工場 2025年~稼働
積水化学 ペロブスカイト堺工場 2025年~稼働

次世代太陽光発電 ペロブスカイトの成算

2025年現在、日本のペロブスカイト太陽電池は「事業化初期段階」に入り、積水化学などが大阪・堺で100MW級ラインを立ち上げ、政府も2030年までにGW級量産体制を構築する方針を明示しています。

日本の生産体制(2025年時点)

• 官民戦略の枠組み

経済産業省は「次世代型太陽電池戦略」を閣議決定し、量産技術確立・生産体制整備・需要創出を三位一体で推進。短期(2025年〜)にGW級生産体制の基盤を整え、2040年に20GW導入を目指す。

 

 積水化学工業(堺市)

 2025年1月、新会社「積水ソーラーフィルム株式会社」を設立。 旧シャープ堺工場に100MWの生産ラインを新設、投資総額900億円。 2027年に稼働開始予定、2030年までに1GW級ライン構築を目指す。 軽量フレキシブル型を中心に、公共施設や耐荷重性の低い屋根から普及を狙う。

政府支援と他企業の動き

 経産省はグリーンイノベーション基金を活用し、2025年度中に支援企業を決定。 2030年までに年1GWの量産体制を整備し、約30万世帯分の電力供給を可能にする計画。 支援対象は、積水化学(フィルム型)、パナソニック(ガラス型)、カネカや長州産業(タンデム型)YKKAP(サッシメーカー)など。 特にタンデム型は既存シリコンパネルの置き換えに有利で、効率は従来の1.5〜2倍とされる。

次世代太陽光発電 ペロブスカイトの成算

2025年現在、日本のペロブスカイト太陽電池は「事業化初期段階」に入り、積水化学などが大阪・堺で100MW級ラインを立ち上げ、政府も2030年までにGW級量産体制を構築する方針を明示しています。

    • 耐久性:20年程度の寿命を確保することが政府支援条件。湿気・紫外線への耐性が鍵。

 • コスト:発電コストを12円/kWh以下に抑える目標。量産効果と工程改善が必須。

 • 鉛リスク:鉛系材料の環境対応(封止・リサイクル)が社会受容性の条件。

 • スピード感:過去のシリコン太陽電池で日本が遅れた経験から、今回は「規模とスピード」が強調されている。

次世代太陽光発電ペロブスカイト

日本人が発明したペロブスカイト太陽光発電は次世代型として2025年大阪・関西万博で実証実験を世界に披露する中で2030年に向けて官民一体となって推進に注力しています。

🧩 1. フィルム型ペロブスカイト太陽電池

【特徴】

•  薄い・軽い・曲がるという最大の強み

•  印刷・塗布で製造できるため、低コスト化が期待

•  壁面・防音壁・屋根など、従来のシリコンでは設置困難な場所に展開可能

•  低照度(曇り・朝夕・室内光)でも発電しやすい

【用途】

•  古い工場の屋根(耐荷重が弱い場所)

•  高速道路の防音壁

•  建物の壁面

•  曲面構造物(ドーム、曲面屋根)

【課題】

•  耐久性の確保(湿気・紫外線)

•  長期信頼性の実証が進行中

🪟 2. ガラス型ペロブスカイト太陽電池

【特徴】

•  ガラス基板にペロブスカイト層を形成

•  **建材一体型太陽電池(BIPV)**としての利用を想定

•  フィルム型よりも耐久性が高い

•  建物の外装材として20年以上の耐久を目指すプロジェクトが進行中

【用途】

•  ビルの窓ガラス(透明・半透明)

•  カーテンウォール

•  建物の外装パネル

•  商業施設のファサード

【課題】

•  フィルム型より重い

•  曲げられないため、設置場所は限定される

•  量産技術の確立が進行中(2025〜2029年のNEDOプロジェクト)

🔋 タンデム型(積層型)ペロブスカイト太陽電池

タンデム型とは、異なる太陽電池を上下に積み重ね(積層し)、それぞれが得意な波長を吸収して発電効率を高める方式です。

特に注目されているのが:

■ ペロブスカイト × シリコン

• 上層:ペロブスカイト(短波長を吸収)

• 下層:シリコン(長波長を吸収)

この組み合わせにより、単層シリコンの限界(約20%)を超え、30%級の高効率が狙えるとされています。

 

🧱 1. 積層(タンデム)構造のポイント

■ 2端子型(2T)

• ペロブスカイトとシリコンが1つのセルとして直列接続

• 従来のシリコン太陽電池と同じシステムで扱える

• 東芝が国内初の実証実験を開始

■ 4端子型(4T)

• 上下セルを独立して取り出す方式

• 研究段階では柔軟だが、実用化は2Tが主流

 

🚀 2. 最新動向(日本の動き)

■ 経産省・NEDOの位置づけ

• タンデム型は「シリコン置換えが期待される巨大市場」と明記

• 2024年度から「次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業」を追加

• 2030年頃の社会実装を視野に入れたロードマップ

■ 東芝の実証(国内初)

• 阪神高速と共同で、高架下・壁面での実証実験を開始

• 2025年末まで実証予定

• 2端子型ペロブスカイト/シリコンタンデムを使用

• 直射光が弱い場所でも性能を比較し、道路インフラへの応用を検討

■ 産総研の解説

• タンデム型は「太陽光の有効利用を最大化する技術」として注目

• ペロブスカイト×シリコンの研究競争が世界的に加速

🏙️ 4.都市での活用像」

① 都市の壁面・高架下

東芝が実証しているように、

• 直射光が弱い場所でも効率が落ちにくい

• 高架下・ビル壁面など「都市の死角」を発電面に変える可能性

■ ② 再開発エリアの高効率BIPV

• ガラス型ペロブスカイトと組み合わせて、

→ **高効率BIPV(建材一体型)**として採用可能

• 限られた面積で最大の発電量を確保できる

■ ③ 工場・倉庫の屋根

• 屋根面積が限られる都市部の工場に最適

• 既存シリコンの置換えとして導入しやすい(2端子型の互換性)

🔧 5. 課題と今後の方向性

■ 課題

• ペロブスカイト層の耐久性(紫外線・湿気)

• 大面積化と量産プロセスの確立

• 封止技術の高度化(新潟大学などが協力)

■ 今後

• 2025〜2030年:量産技術の確立

• 2030年以降:シリコン置換え市場で本格普及

• 都市インフラ(道路・壁面)への応用が進む可能性大

 

🔍 6. まとめ

タンデム型(積層型)ペロブスカイト太陽電池は、

「都市空間の限られた面積で最大の発電を得る」ための最有力技術です。

• 高効率(30%級)

• 都市の壁面・高架下でも活用可能

• シリコンとの互換性が高く、普及しやすい 

• 日本では東芝・産総研・経産省が強力に推進中

🚗 京大ベンチャー × トヨタ

「車載ペロブスカイト太陽電池」共同開発の動き、京大発スタートアップ エネコートテクノロジーズ が、トヨタ自動車グループ(Woven Capital)から出資を受け、車載応用を目指す と報じられています。

🔍 事実(検索結果より)

• エネコートテクノロジーズは京大発のペロブスカイト太陽電池ベンチャー

• トヨタ自動車グループの Woven Capital がリード投資家として出資

• 報道では「曲がる太陽電池をEV向けに量産」「車載応用を目指す」と明記

📰 具体的な報道内容

• 産経新聞:「薄くて曲がる次世代太陽パネル、EVに トヨタと京大発新興が提携」

• 日経新聞(京大サイトが引用):「曲がる太陽電池、EV向け量産 京大発にトヨタ系など出資」

 🔋 なぜ自動車にペロブスカイト?

ペロブスカイト太陽電池は…

• 薄い・軽い・曲がる

• 車体の曲面にも貼れる

• 弱い光でも発電(曇り・街灯下でも)

• 車の航続距離を伸ばせる可能性

という特性があり、EVとの相性が非常に良いとされています。

実際、トヨタは以前からペロブスカイトの車載実験を行っており、

京大ベンチャーとの連携で 量産化・実用化に向けた加速 が期待されています。

 ■ ① EVの「走行中充電」への道

都市部の渋滞・信号待ちでも発電できるため、

都市型EVの航続距離問題を緩和する可能性。

■ ② 車体が「発電面」になる未来

駐車中でも発電できるため、

集合住宅・商業施設の駐車場インフラの負荷を軽減。

■ ③ 都市のエネルギー分散化

車が小さな発電所になることで、

災害時のレジリエンス向上にもつながる。 

📚 まとめ

京大ベンチャー(エネコート)とトヨタは、自動車向けペロブスカイト太陽電池で実際に動いています。

• トヨタ系ファンドが京大ベンチャーに出資

• EV向けの「曲がる太陽電池」量産を目指す報道

• 車載応用の研究開発が進行中

YKK AP ペロブスカイト

🔍 :YKK APは「窓で発電する」ペロブスカイトBIPVを実証中 YKK APは以下のような取り組みを進めています。 

🪟 1. パナソニックHD × YKK AP

■ ガラス型ペロブスカイト太陽電池を「内窓」に採用し実証開始

• パナソニックHDが開発したガラス型ペロブスカイト太陽電池をYKK APの内窓に組み込み、建材一体型太陽光発電(BIPV)実証

• 実証場所:谷町YFビル(大阪)

• 日本初「内窓」でのペロブスカイト実証

🏢 2. YKK AP単独の実証(Newswitch)

■ ビル窓用のBIPV製品化に向け技術開発加速

• 内窓・外窓の両方にガラス型ペロブスカイト太陽電池を設置し発電量を比較

• 2026年度末の製品化を目指す

• 羽田イノベーションシティで実証 • 透過率(0〜50%)の異なる発電ガラスを複数テスト

 🧪 3. 中国電力 × 中電工業 × YKK AP

■ 「HIROSHIMA ZERO BOX」での実証

• 窓にガラス型ペロブスカイト太陽電池を組み込み、環境負荷・発電性能を検証

• 2025〜2027年の長期実証

• 内窓に600×1200mmのペロブスカイトガラスを5枚設置

🏙️ 4. 展示会での公式説明(YKK AP)

• YKK APは展示会で

「サッシにペロブスカイト太陽電池を組み込み、窓で発電するBIPV」開発中と明言

• 自治体・ビルオーナー向けのソリューションとして紹介

 📌 まとめ

YKK APはペロブスカイト太陽電池を窓(サッシ)に組み込むBIPVの実用化に向けて、

国内で最も積極的に実証を進めている企業のひとつです。

• パナソニックHDと共同で内窓実証

• 自社でも外窓・内窓の比較実験

• 中国電力と長期実証

• 展示会でも「窓で発電」を公式に紹介

福島原子力発電3基爆発事故の衝撃

1973年第4次中東戦争によって起こったオイルショックによって日本の高度経済成長期が止まりました。日本の主力電源は水力・火力発電によって依存していました。夜のネオンサインが消え、テレビの深夜放送が消える厳しい社会の中で、日本は原発3法の推進に舵を切りました。原発建設予定地では政治的対立が繰り返されました。

原発立地の危険性を確認しながら、経済成長を優先した原発推進が加速し54基以上が建設され稼働していました。

2011年3月11日、東日本大震災によって起こった巨大津波によって福島原子力発電所2基(1号・3号機・2号機は爆発せず)の原発が電源喪失で世界最大(レベル7)の原発の爆発事故を引き起こし、当時日本の30%の供給電源である原発すべてが停止しました。

地球温暖化対策に二酸化炭素の削減

1973年のオイルショックの時にいち早く太陽光を利用した発電技術の推進に日本が積極的に取り組みました。高度経済成長を追い求める日本は原子力発電技術に傾注しました。

しかし、地球温暖化が進む中で、1997年京都国際会議場COP3で「京都議定書」で条約が締結されました。先進国の責任で求められた議定書が、2015年パリ協定(COP21)で世界各国が責任ある国際枠組みに調印しました。

日本は原子力発電(二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー)を中心に据えました。一方で京都議定書(COP3)以来、二酸化炭素の排出削減に注力してきました。

トヨタのハイブリット自動車1号は1997年に発売、COP3京都議定書締結の年と重なっています。

「熱交換塗料」も地球温暖化対策に塗料で貢献できないか試作が始まり2002年に開発に成功しました。 政府も原発の推進と太陽光・水力・バイオマスなどあらゆる資源を利用して地球温暖化対策に注力しました。しかし、2011年福島原発事故によって信頼を失った電源構成が世界に大きな影響を及ぼしました。日本も逆行する火力発電の復活で電力確保により温暖化対策から遅れました。

一方で、日本政府は地球温暖化対策として、風力・太陽光・水力・バイオマスなどによる発電事業を模索していました。さらに、内窓・断熱補強などで熱の侵入・喪失を防ぐ政策を補助金注入で推進していました。対応する中での原発爆発事故により大きな衝撃を受けました。

ドイツでは危険な原発事故の発生を懸念して「原発廃止」国家として決めました。

今、アメリカトランプ大統領は「パリ協定」から離脱を表明、世界は混迷の中にある。