日本のレアアースショックいつから
「レアアースショック」は、2010年に発生した資源供給の混乱を指す言葉で、特に日本にとって大きな衝撃となりました。その背景には、いくつかの要因が絡み合っています。
🌏 レアアースショックが起きた主な理由
中国の輸出規制強化(当時 2010年民主党政権・中国胡錦涛政権時代です)
当時、世界のレアアース供給の約97%を中国が担っていました。
2010年、中国政府はレアアースの輸出枠を前年より約40%削減し、さらに下期には72%もの大幅削減を発表しました。
これにより、国際市場で価格が急騰し、供給不安が広がりました。
尖閣諸島沖での衝突事件
2010年9月、日本の領海で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突する事件が発生。船長を拿捕直後、中国から日本へのレアアース輸出が停滞し、政治的な圧力の一環と見なされました。
尖閣諸島の国有化 2012年に尖閣諸島国有化により日本と中国が対立、中国全土で過去最大規模の反日デモが発生し、一部が暴徒化して日系企業などが襲撃される事態に発展しました。
中国に輸入依存しているレアアースの輸出規制
日本はレアアースを100%輸入に頼っており、その大半が中国からのものでした。
そのため、供給が止まると産業全体に大きな影響が出る構造的な脆弱性がありました。
欧州でも「脱エネルギー依存という難しい道」と題した評論の中で、レアアース分野において数十年にわたり戦略的な地位を築く「先見の明」を持っていた中国に対し欧米諸国はグローバル化の名の下に、利益が薄く汚染の多いレアアースの採掘や精錬加工を中国に明け渡したことにより、中国が世界のレアアースの」の生産量90%を占めるに至っているとしています。
トランプ大統領は二期目就任後、デンマークの自治領グリーンランドの領有、ウクライナのレアアース採掘権を戦争の支援の代償として要求するなどレアアース資源保有の弱点を補う必要性を認識していた。
米中関税交渉の中で、2025年10月レアアースに関する米中関税の一年延期など交渉の大きな懸念材料となっている。
中国のレアアース輸出規制と影響
中国によるレアアース輸出規制は、2025年後半に大きな転機を迎えました。
🌏 中国の輸出規制とその影響
2025年10月、中国はレアアースを含む製品の輸出に対して厳格な許可制度を導入すると発表しました。対象は中国産レアアースが0.1%以上含まれる製品や関連技術など。
しかし、米中首脳会談の合意を受けて、これらの規制は2026年11月まで一時停止されることになりました。
一方で、2025年4月に導入された別枠の規制(ジスプロシウムなどEV向け希土類)は停止対象に含まれておらず、依然として供給リスクが残っています。
日本の対応と可能性
日本は現在、レアアースの約7割を中国から輸入しており、依存度が高い状況です。
その中で注目されているのが、南鳥島周辺の海底資源。東京大学とJAMSTECの調査で、世界有数の埋蔵量を持つ「レアアース泥」が発見されました。
この資源が実用化されれば、中国の独占に対抗する戦略的な選択肢となり得ます。
🌐 世界の動き
EUは中国への依存を減らす努力を続けていますが、短期的な打開策は乏しく、産業界への影響が懸念されています。
米国では、規制緩和の報道を受けて一部レアアース企業の株価が下落するなど、市場も敏感に反応しています。
この問題は、資源外交・経済安全保障・技術開発が絡み合う複雑なテーマです。地域とグローバルの視点をつなぐ重要な取り組みが求められています。南鳥島の資源活用や、中国依存の徹底した分析と世界の資源国へのアプローチなど国家を上げて取り組まないと中国と対抗しきれない現実があります。
南鳥島のレアアース採掘の可能性
南鳥島のレアアース採掘は、まるで深海の宝箱を開けようとしているような壮大な挑戦です。🌊
🌋 南鳥島のレアアース採掘の可能性と現状
埋蔵量と資源価値
南鳥島周辺の海底には、世界需要の数百年分に相当するレアアース泥が存在すると推定されています。
特に、電気自動車や風力発電に不可欠な「中・重希土類」(ネオジムやジスプロシウムなど)が高濃度で含まれているのが特徴です。
技術的な挑戦
採掘対象は水深6000メートルの深海。浚渫技術やエアリフトポンプなどを応用し、泥を引き上げる方法が検討されています。
2026年1月には、機器の動作テストを含む試験掘削が予定されており、2027年には本格的な試掘が始まる見込みです。
日米の協力体制
日本と米国は、南鳥島でのレアアース採掘に共同で取り組むことで合意。中国依存からの脱却を目指しています。
高市首相は「多様な調達手段の確保は日米双方にとって重要」と述べ、経済安全保障の観点からも注目されています。
経済性とリスク
採算性が確立されれば、日本は世界第3位のレアアース供給国になる可能性もあります。
ただし、技術的難易度や環境負荷、商業化までの道のりには不確実性も多く、慎重な検証が必要です。
このプロジェクトは、採掘できれば未来が潤うけれど、道のりは険しい。でも、挑戦する価値は十分にあると思うんです。
2013年に東京大学の探査チームが発見して以来ニュースになっていますが、深海6000mからの泥採取や環境問題と採算性を検証する必要があり、政府としても積極的な挑戦プロセスと米国などと連携した投資が必要になると思います。26年1月~2027年に及んで試掘調査を実施する。
🚢 中国の動きと南鳥島の地政学的リスク
-
中国の海底調査強化
-
2020年以降、中国は南鳥島周辺の公海での海底資源調査を急速に強化し、関連する研究論文の発表数が過去5年間の7倍以上に増加しています。
-
特にマンガン団塊やレアアース泥、コバルトリッチクラストなどの資源に関する調査が活発化しており、将来的な資源開発を視野に入れた動きと見られています。
-
-
EEZ外での中国船の航行
-
南鳥島の排他的経済水域(EEZ)外では、中国の探査船や軍艦が頻繁に航行しており、日本側は警戒を強めています。
-
こうした動きは、資源確保をめぐる国際的な駆け引きの一環とされ、米国との連携強化の背景にもなっています。
-
-
日米の協力と牽制
-
日本と米国は、南鳥島のレアアース採掘に共同で取り組むことで合意し、中国依存からの脱却を目指しています。
-
高市首相は「多様な調達手段の確保は日米双方にとって重要」と述べ、2026年1月からの試験掘削開始を明言しています。
-
このように、南鳥島は資源の宝庫であると同時に、国際的な緊張の火種にもなり得る場所。
